音を聞きたくなくて
耳を塞ぐのも億劫で
声を発したくなくて
喉を開くのも悲しくて


ただ異常に憔悴していて
ひたすらに眠ろうと思った
電気を消すのすら面倒で
魔法を使いたかった
こんなことに使う魔法ならば
いっそ百均で売ってくれと思った


ただ布団のぬくもりは君に似ていて
包むような柔らかさはそっくりで
いま気付いたのかと
すこし苦笑しながら
幸せな夢をみたいと願った
それも、悲しかった


期待するのはいつも君絡み
ここにいるかも、
ここにいるかも、
でも夢にしか出てこない君は
もしかして魔法を売ってるのか
そんなことを思う僕はきっともう夢の中
百円の価値しかない
君と笑う夢はみない